08
50萬張完全限定生產盤 CD x2 (廢盤) 1999.09.08 (三) Release (Toy's Factory發行) ✱TOUR '99 DISCOVERY:1999.02.13 - 07.11
|
▼ 小林武史的話
50萬張完全限定生產盤 CD x2 (廢盤) 1999.09.08 (三) Release (Toy's Factory發行) ✱TOUR '99 DISCOVERY:1999.02.13 - 07.11
|
今回のツアーをライブアルバムにすることを決めて 2日間ある収録を、僕は初めて録音車の中で過ごしたの だが、視覚に頼らないライブの醍醐味を1日目の段階で 僕はしっかりと感じることができた。 と同時に、 多少のミ スもちょっとした固さも残る1日目のライブにも、何か尊さ の様なものを感じて、ベストなライブアルバムとはどうい ったものなのかと、少し考え込んだりもした。
2日目のリハーサルの後、桜井君と楽屋にいて、例え ばツアーが42本あったのなら、 その42分の1というもの にこだわる潔さ、そして残りの41本をこのアルバムの時 間軸の奥に込めるような、そんなイメージの持ち方がミス チルらしいのではないか、といった話をした。 ただ、その時 は視覚抜きの音楽だけのパワーでベストといえるライブ を作れる集中力が維持できるか、という話にもなり、まあ 今日も気楽にやろうか、ということで本番を向かえること になった。
その日ライブ中、録音車の中で、僕はこのアルバムに 収められている全てのプレイを聞くことができた。 僕だけ じゃなく、長い間彼等の音を録音しているエンジニアの 平沼君も、他の人も含めて、完全試合に向かっている 野球に立ち合っているような興奮を感じた。 本番前に言 っていた事とは裏腹な、桜井君の狙ってくる負けず嫌い な感じに、何だか笑いが込み上げてきていた。彼等のプ レイは自由で、常に音楽を感じ続けながら進み、みんな 心が開かれ、そして終わった。 僕は中盤以降、鳥肌が立 ちっぱなしだった。ウソみたいな話だけど。
一本のライブとしてこれだけ充実したプレイを完全収 録できたことは、僕にとってちょっと不思議な体験でもあ った42分の1だが、やっぱり、このアルバムの向こう側に、 残りの41が、それぞれの会場で、毎日違うグルーヴを起 こしていたことも想像してもらえたら、などと欲張りな願い も持ってしまう。